為替変動と産業構造

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為替変動と産業構造

円高はサプライチェーンの上流から、円安はサプライチェーンの川下から経営利益が増加する。

 為替変動は、いわゆる大企業とその下請企業に経営利益増加のチャンスを提供します。円高の時は下請け企業に、円安の時は大企業に利益増加をもたらします。しかし、実際、多くの場合、円高、円安いずれの場合も大企業が利益を獲得し、下請けはなかなか円高の恩恵を受けられません。

 円高の時、下請けは大企業からの値下げ圧力に負け、円高によるコスト削減利益を確保するのが難しくなります。一方、円安の時はコストアップ分の値上げ要求を大企業に拒否され、コストアップを価格転嫁できず、取引利益が減少するのが一般的です。

 このような経営環境を改善することは簡単にできることではありませんが、全く方法が無い訳ではありません。納品先チャネルを増やす、技術競争力を強化する、社内業務プロセスを改善するなど、様々な取り組みがあります。企業のコアバリューを再認識し、コアテクノロジーを強化する、コアプロセスを強化する、人材育成を強化するなど経営者の力量が問われます。